「エンジンの音が気になる」
と、昨日の夕方にご来店頂きました。
走行距離が1,000キロ弱のGTS250ですが、確かに聞きなれない音がします。
プーリーあたりでウェイトローラーが遊んでいる音ではなく、どうやらヘッドからのタペット音のような気がします。
通常GTSでは聞きなれない種類の音なので、そのままお預かりしました。
ヘッドを見る前に、駆動系を点検します。
異常はなさそうなので、いよいよシリンダーヘッドあたりが怪しくなります。
大阪のサービスセンターに電話をしてみると、
「エンジンを下ろさないでヘッドの点検はかなり大変。下ろした方が早いです」との返答でした。
ヘッドカバーを外してタペット調整の予定でしたが、エンジンを下ろすことになりました。
冷却水を抜いたあと、ハーネスやホース類マフラーも外しエンジンを下ろします。
250ccのエンジンなので、ハンドチェンジより力のいる作業です。
のぞき窓から上死点をだした後にヘッドカバーを外し、バルブクリアランスの点検。
インレット側は基準値ですが、エキゾースト側のクリアランスは基準の倍0,3ミリ。
ガソリンで冷やされるインレット側と、高い温度の排気が通るエキゾースト側では熱膨張の違いからクリアランスが違います。
念のため、カムシャフトとロッカーアームの当たり面の点検もします。
カムスプロケットに付いている重りのようなものは、オートデコンプの役割を果たします。
700回転以下のエンジンの回転数でバルブを押し、シリンダー内の圧縮を抜きます。
原因はここにありました。
走行1,000キロの車両とは思えないほどダメージがあったカムシャフトとロッカーアーム。
故障の少ないGTSで初めての経験です。
部品を発注、交換になります。
本日関東地方も梅雨入りになったそうで、しばらくは雨合羽が手放せませんね・・・。
乗るより直すのにいい季節、でしょうか。 ^^