Bongout Staff Blog

当店での納車整備をご紹介します。
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【整備車両】Vespa PX150Euro3

エンジン関連

キャブレター

キャブレターを外して点検します。

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生産国であるイタリアからの輸送や国内倉庫での在庫期間などの時間経過もあり、
ガソリンやオイルが変性し、汚れている事が多いです。
当店では画像のようにエンジン始動前にキャブレターを完全に分解して各部の点検と動作確認を行っております。
ボングー納車整備ポイント! その1
・スロージェット交換
整備前の本国仕様は混合気が薄めのキャブレターセッティングになっています。
日本でそのまま乗ると、アクセルのツキが良くない等の乗りにくさにつながる症状が認められます。
当店では納車整備項目に「スロージェット交換」を加えております。

キャブレターケース

画像中央がキャブレターケースです。
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このケース内にキャブレターが装着されます。
接合部分の状態確認後、定盤面研しています。
この作業によりエンジンケース-キャブレータケース-キャブレターボディの接合面の適合性が高まり、オイルの滲みや漏れを防止することが出来ます。

オイルポンプ

画面左上の小さな部品がオイルポンプカバーになります。
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こちらも接合面の状態確認後、定盤面研します。
キャブレター同様、この作業によりキャブレターケースとの接合性が高まり、オイルの滲みや漏れを防止することができます。
オイルの吐出を確認してから最終的に組み付けます。

オイルポンプギヤ

画像左上のグリーンマークされたギヤがオイルポンプギヤです。
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現行モデルのPXEuro3は別体のオイルタンクを備えた分離給油式が採用されています。
適切なギヤの駆動が、安定したオイル供給につながります。
納車整備ではポンプギヤの状態確認および動作テストをします。
動作不良はオイル供給トラブルだけではなく、クラッチケース内の思わぬトラブルの原因になる可能性があるので、入念に点検します。

クラッチ

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画像右下がクラッチユニットになります。
特にPXの場合はクランク軸上装着されているために、高回転・高負荷下で動作することになります。
クラッチの動作不良はエンジンケース破損等の重篤なトラブルの原因につながりますので、入念なチェックが欠かせません。
当店ではクラッチユニットおよび関連パーツの分解後、各パーツの適合や動作をチェックした後、再組み付けを行っています。

クラッチカバー

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クラッチワイヤが通過するガイド部分のバリや形成不良を確認して必要に応じてワイヤールートのスムーム化を行います。
この作業によりスムースなワイヤ動作が得られ、クラッチ操作感の向上につながります。
ハンドチェンジベスパをお求めになるお客様が心配されるのトラブルの1つとして挙げられるのがワイヤ関連です。上記作業をしっかりと行う事でつまらないワイヤトラブルを未然に防ぐ事が出来ます。

給油関連

ガソリンタンク

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シート下に格納されています。一旦車体から取り外してポンプやコックの状態と動作を確認します。
ガソリンホースやパッキン類も損傷が無いか確認し、各部との接続をチェックします。

オイルタンク

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黒いガソリンタンクの下にあるのがオイルタンクです。
ガソリンタンクと同様にホースやオイルインジケータとの接合を確認します。

エンジンオイル

メーカーではエンジンの動作テストのため、オイルを混合されたガソリンが充填されています。
通常使用時にはオイルタンクへ2ストロークエンジン用オイルを注油する必要があります。
当店では、オイル系統の整備終了後にエンジンオイルの再充填を行っております。

ギヤオイル

PXは2サイクルエンジンですので、エンジンオイルとは別にギヤオイルが必要になります。
新車の場合、各種ガスケットの欠片やエンジン組み立て時に使用する添加グリス等が溶出して汚れております。
当店ではエンジンオイル同様、ギヤオイルの排出→洗浄→再充填を整備項目に含めております。

ボングー納車整備ポイント! その2
・当たり前ですが油脂類は全て交換します
生産国および国内倉庫での保管状態や期間が車輌により異なるため、当店では
エンジンオイル・ギヤオイル・ブレーキフルードは全て抜き取り→洗浄→再充填を実施しています。
特にギヤオイルはエンジン組み付けペーストの溶出やガスケットの破片が混入が目立ちますので、場合によっては2回作業を実施しています。

 

電装系

バッテリー

バッテリ液の容量確認と充電をおこないます。
PXの場合、セルモーターおよびホーンへの電力供給のみで、
エンジンや灯火類は独立しているため、走行に支障が出る可能性はありませんが、中長期的なバッテリライフやレギュレター保護の観点から鑑みると初期のメインテナンスは重要です。

ステーターコイル

新車の場合、問題があったケースは今までありませんが、念のためフライホイールを外し、コイルや配線類を確認します。
レギュレターへの電流や電圧供給等も併せて確認します。

プラグ・プラグコード

プラグを確認します。
車輌によっては日本製でない製品が装着されている場合がありますので、
その際には交換します。
CDI周辺およびプラグへのハイテンションコードの状態を確認します。

ブレーキ関連

フロントブレーキ

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現行モデルのEuro3はディスクブレーキが採用されています。
キャリパを外し、ピストン回りの状態および動作を確認します。
パッドの面取およびすり合わせを行い、再度組み付けていきます。
ブレーキフルードも新しいものに入れ替えます。

リヤブレーキ

画像右下がリヤドラムブレーキシューになります。
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面取およびパッドの当たりを安定させるためにシュー表面への溝加工を行います。
この作業でリヤブレーキの踏みやすさに違いがでます。

ハンドル回り

ハンドルバー

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ハンドチェンジベスパはスロットル・クラッチ・シフトとハンドル回りに操作系が集中しています。
構成部品の状態や適合や動作を確認するために、ハンドルバー回り全体を分解します。
欠品や動作不良等がある場合には交換します。

 

クラッチワイヤ

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工場組み込みのワイヤ類は縒れて曲がっている状態であることがほとんどです。
組み付け後、一定期間動作させなかった事が原因と思われますが、このまま使用してしまうとクラッチの切れの善し悪しや握ったときの重さやスムース感に影響を及ぼします。
当店ではインナーワイヤーを抜き、新しいワイヤに挿し変えます。
この作業によりクラッチ操作にスムース感が出てきます。

シフトワイヤ

左ハンドルバーがシフトセレクタになります。
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工場組み込みのワイヤ類は、縒れや曲がりが認められスムースな動作を妨げます。
インナーワイヤーを抜き、新しいワイヤーに交換します。
ハンドルバー基部のワイヤガイドへリチウムグリスを塗布し装着します。
この作業により、ワイヤ動作が軽快になります。

スロットルワイヤ

右ハンドルバーがスロットルになります。
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シフトワイヤと同様に工場組み込みのワイヤ類は、縒れや曲がりが認められスムースな動作を妨げます。
インナーワイヤーを抜き、新しいワイヤーに交換します。
ハンドルバー基部のワイヤガイドへリチウムグリスを塗布し装着します。
この作業により、ワイヤ動作が軽快になり、メリハリのあるスロットルワークに応えてくれるようになります。

ボングー納車整備ポイント! その3
・ワイヤ類は全て新品に交換します。
動きの悪いワイヤを無理に引っ張ったり、ワイヤルート上にバリや段差等が残っているとワイヤ切断の原因になります。また、極端に緩んだ状態や、逆に張りすぎも同様にトラブルにつながります。
当店では納車前整備のメニューとして全てワイヤの交換を実施しています。
納車時のクラッチ・シフト・スロットルの動きをベストの状態と考えて頂き、その後のメインテナンスの目安にして頂いております。
ハンドチェンジベスパとワイヤトラブルはセットの様に言われていますが・・・
当店で整備した車輌で「突然ワイヤが切れた!」という事象は経験上ありません。

 

メインキー

地味な部分ですが、頻回に抜き差しやスイッチのON/OFFを行う箇所ですので、スムースな動作を目的にグリスアップします。キーとシリンダの嵌合がキツい初期の偏摩耗を防ぐという意味合いもあります。

 

最後に・・・・

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大まかですが、整備の流れをご紹介させて頂きました。
いわゆるベスパ専門店では日常的に行われているものではありますが、
ハンドチェンジベスパをファインコンディションで乗るための最低限必要な整備と考えております。

当店でご購入のP・PXの場合、新車・中古問わず今回ご紹介した整備を納車前に全車実施しております。
作業の過程で交換した部品(ジェット・ワイヤー等)や油脂類は全て整備費用(PXの場合、30,000円)に含まれております。
また、他店にて購入された車輌に対しても同様の整備の実施を承っておりますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
(仕様により整備費用は別途見積もりさせて頂きます。)

お近くに専門店が無いお客様やハンドチェンジベスパの取り扱いが少ないお店で車輌のお求めのお客様は、ご購入前に本ページを購入店舗のスタッフに参照して貰い同程度の整備が可能であるか確認することをオススメいたします。特にオイル系統やクラッチ回りはエンジンブロー等、重篤なエンジントラブルにつながる原因となりますので重ねて確認をして見て下さい。

納車後の点検整備について

別ページにて納車後の点検整備の概要を記載しました。
参考までに目を通して頂けると幸いです。
簡単な整備が多いので、お客様ご自身でチャンレンジしてみるのも楽しいかと思います。
もちろん当店でも随時受け付けしておりますので、お気軽に来店下さい。
(当店で車両ご購入のお客様の定期点検は無料です。)